◆戻
![]() 結った髪が斬り捨てた敵に絡まるように引かれた 一瞬の逡巡 剣の露を払い、戸惑う事もなく 一気に結った根本に剣を入れる 頭皮が引かれるような小さな痛みと共に ざく、と細い糸を断ち切るような感覚が手に伝わった 優しい感覚だ 肉を斬るよりも、よほど 頬を伝う血を乱暴に拭い 油断無く辺りを見回す 既に、彼がどこにいるのか、分からなくなってしまっている 止むことのない、轟音。剣戟 肌を掠めて弾ける熱 翻した剣先で、新たに命を絶ち切った 戸惑いなどない どれほど汚れようと私は誓ったのだから ―――貴方を一人残したりはしない 2004.拍手用絵 |