取りあえず春ということで

by 残 

 

メイ: 「シ、シルフィス ??」

ディアーナ: 「シルフィス、綺麗ですわ。」

シルフィス: 「あ、メイ、姫。あの、私、変じゃないですか?」

メイ: 「変?変って?」

シルフィス: 「髪とか、服とか、化粧とか。あの、口紅はこのままでいいですか?」

メイ: 「シルフィス、あんたってもしかして化粧は初めて?」

シルフィス:「はい、そうですが。夜会というものが初めてですから。」

ディアーナ: 「悔しいですわ〜もっと早くシルフィスが女性に変化したと分かっていれば、わたくしの方が飾って差し上げられるのに〜」

メイ: 「って、そういえば、シルフィス、このドレスはいつの間に……?」

シルフィス: 「あ、あの、シオン様が選んでくださったものですが……」

メイ: 「……(やはり)……、その髪飾りも?」

シルフィス: 「そうです。」

メイ: 「…聞くのも馬鹿馬鹿しくなってきた。イアリングも、か?」

シルフィス: 「(?)そうです。」

ディアーナ: 「ええっっ首飾りも、ですか?」

シルフィス: 「そうですが?」

メイ: 「……(がっくり)…もしかして、そのルージュまでもか?」

シルフィス: 「あの、そうですが?」

メイ: 「…シオンの奴、なんて手の早い!!」

ディアーナ: 「そうですわよ!シオンったら、いつもずるいですわ。」

シルフィス: 「(汗)あ、あの、なんの話ですか?」

メイ: 「いいのよ、シルフィスは分からなくても。」

シルフィス: 「……そうですか…」


メイ: 「しかし、普通飾る宝石を選ぶ時は、その人に見合う色にするよね?」

ディアーナ: 「そういえば、髪飾りもイアリングも首飾りもサファイヤですわ。シルフィスの瞳のようなエメラルドがいいですわよね?」

シルフィス: 「(おろおろ)あの、似合わないですか?」

ディアーナ: 「そんなことないですわ!似合いますよ!」

メイ: 「そんな意味じゃないわよ!似合うは似合うけど……」

シルフィス: 「あの、私、緑より、蒼の方が好きですから。」


(見合わせるメイとディアーナ)

メイ: 「(あたしたち、もしかしてちゃっかりのろけられていなかった?)」

ディアーナ: 「(そうですわね。)」

メイ: 「(シルフィスの場合、自覚がないから余計質が悪いわよっ)」

シルフィス: 「あ、あの、姫?メイ?なんの話ですか?」

ディアーナ: 「……」

メイ: 「……」